大型の付加製造向けに新しく開発されたPLAグレードIngeo 3D700、 反りを大幅に削減しプリント失敗を最小化

2021年4月14日、ミネソタ州ミネトンカ発 — ネイチャーワークス社 は本日、大型3Dプリント向けのIngeo 3D700を発表し、付加製造用に特に設計された Ingeo™️ バイオポリマーのポートフォリオを拡大し続けています。IngeoバイオポリマーPLAから作られたモノフィラメントは、精密な造形、加熱を必要としないビルドプレートへの良好な接着性、反りや曲がりの低減、印刷時の臭いが少ないことなど優れた特徴を持ち、デスクトップ3Dプリント市場で幅広く使用されています。これらの特徴からIngeoはさまざまなタイプのプリンターを使用した3Dプリントに適しており、コンシューマ向け製品から産業用まで幅広い用途に採用されています。

大型プリントでは、ポリマー積層がより高速かつ大量であるために、特定の材料、たとえばABSなどでは過剰な反りが発生することが多く、一部のポリオレフィンまたは汎用PLAグレードにおいても、大きな収縮につながりがちです。反りによってパーツがプリントベッドから引きはがされ、あるいは層の剥離が起こり、プリントの失敗につながります。産業用途においては長いプリント時間がかかり、より大量の材料が使用されるため、量産時の失敗には高いコストが伴います。ポリマーの微細構造を制御することにより、アモルファスPLAグレードIngeo 3D700は材料の収縮率を低く抑えています。これは反りを削減し、ギャップフィルおよび接着性を改善し、確実にプリントを成功させる上できわめて重要です。

「3Dプリントがより大型の、複雑なアプリケーションに拡大していくのに伴い、特定の用途あるいはプロセスに最適なプリント材料へのニーズが高まっています。」ネイチャーワークス社のBusiness Development Leader、Dan Sawyerはこのように語っています。「産業用途での大型付加製造市場が著しく成長する中で、当社は大型プリントの失敗による時間と材料のロスを最小化するよう特に設計された新しいIngeoバイオポリマーグレード開発のチャンスがあると判断しました。」

大型プリントでのパーツの反りを最小化するのに一般的なアプローチは、鉱物フィラー、ガラス、カーボンあるいはセルロース繊維などの強化材を含む複合材料を使うことです。Ingeo 3D700 は低収縮率設計であるため、少ない強化材の使用で高品質な大型パーツを製造することが可能になるとともに、Ingeo PLAの安定したプリント性能を生かすことができます。特殊用途のプリントにおいて強化材の追加が必要な場合、セルロースベースの添加剤はIngeo 3D700と容易に複合させることができ、カーボン繊維ABS等の高コスト石油化学ベースの化合物に代わる、バイオベースの化合物として使用できます。  

パートナー企業によるテスト結果

複数のパートナー企業が、大型のFused Filament Fabrication (FFF) およびレジンからのダイレクトプリントプロセスでIngeo 3D700をテストし、良好な結果を得ています。

「当社のテストでは、Ingeo 3D700は大型プリントでの反り削減において従来の3Dプリント用Ingeo PLAから一歩進んだ結果が得られました。」3Dプリント用材料およびフィラメントの大手メーカー、Polymaker社の社長であるXiaofan Luo氏はこのように述べています。収縮率が低くなったことに加えて、PolymakerではIngeo 3D700を使った場合Z層の接着が改善されたことが確認されています。

大型プリンタ向けの押出機の開発およびコンポーネントの供給を行うDyze Design社は、その低収縮率で既に知られているグレードであるIngeo 3D850とIngeo 3D700を比較するテストを行いました。「当社のテストでは、Ingeo 3D850を使った大型パーツのプリントの収縮率は1.25%でした。これと比較して、同じパーツをIngeo 3D700でプリントした際の収縮率は0.25%未満でした。」Dyze社のCTO、Philippe Carrier氏はこのように語っています。「さらにIngeo 3D700ではスループット率が向上しているため、より低温の190ºCで収縮や反りを起こさずにパーツをプリントすることができました。」

フィラメントメーカーであるMCPP社は、Ingeo 3D700から作られたフィラメントを使ってプリントのテストを行い、その最適化された溶融粘度により汎用PLAと比較して流量が11-13%改善されることを確認しました。MCPPは次のようにコメントしています。「これによりギャップフィルおよび周辺層間の接着が改善されました。したがって、 FGF (Fused Granular Fabrication) 3Dプリントにも適していることが期待できます。」

新しいIngeo 3D700グレードは既に金属の鋳造への用途も見出されています。レジンからのダイレクトプリントプロセスを使って、Shanghai TuoZhuo社では1-2メートルの高さにもなる砂型鋳造用金型をプリントしています。3Dプリントによる金型が従来の木型を置き換えている理由は、3Dプリントの方が製作期間が短いこと、コスト効果が高いこと、また木型は湿度により次第に反りが生じるのと比較して維持管理が容易なことなどです。「Ingeo 3D700のようなアモルファスPLAを使ってプリントすると反りや変形が発生しません。」Shanghai TuoZhuo New Materials Technology Co., Ltd.のプロジェクトマネージャ、Gabino Chen氏はこのように語っています。「このサイズのプリントにABS、PETG、あるいはPAを使うことは難しいため、PLAを使うことが重要であり、大型プリント用に特別に設計されたPLAグレードがあると便利です。」

Ingeo 3D700 は現在レジンからのダイレクトプリントプロセス向けにレジンペレットとして、あるいはFFFプロセス用にフィラメントとして、米国、アジア、ヨーロッパにおいて提供中です。より詳しい情報は、ネイチャーワークス社natureworksllc.comまでお問い合わせください。

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